不招請勧誘禁止に関する国会での質疑応答

平成十六年三月十九日提出
質問第四四号
政府提出商品取引所法の一部を改正する法律案に関する質問主意書より
発 言 者 発 言 内 容 論 点
民主党
島聡衆議院議員 
 政府は、急拡大する商品先物市場の信頼性・利便性の向上のために、本年三月一〇日に商品取引所法の一部を改正する法律案(以下「政府提出法案」とする。)を国会に提出した。その内容は、委託者資産の保全制度の拡充、仕組みやリスクを事前に説明することの義務付け、適合性原則についての規制強化等を盛り込むものである。
 しかし、政府提出法案については、監督機関の強化や不招請勧誘の禁止等、最も改善が望まれている部分が盛り込まれていない。したがって、続発する先物取引によるトラブルの防止に、どの程度の効果があるのか甚だ疑問である。
 先物取引によるトラブルや消費者被害を防止する観点から、次の事項について質問する。
不招請勧誘禁止が、法案に盛り込まれていない。
民主党
島聡衆議院議員
 昨年一二月二四日の産業構造審議会商品取引所分科会において、委員から「不招請勧誘と広告規制を主張してきたが、引き続き検討をお願いしたい。再勧誘の禁止を法律に格上げすることはできるのではないか。」との意見が出されている。この点につき、政府提出法案の作成段階においてどのような検討を行い、どのような判断で政府提出法案に盛り込まないこととしたのか、その具体的な検討内容をお示しいただきたい。また仮に、この点について検討を行わなかったのであれば、その理由を明確にお示しいただきたい。 不招請勧誘禁止を法案に盛り込まなかった理由を示せ。

小泉純一郎内閣総理大臣
 商品取引員の勧誘規制については、産業構造審議会商品取引所分科会における議論等を踏まえ、法案作成段階において検討を行ったところである。
 その結果、顧客保護をさらに充実させる観点から、委託を行わない旨の意思を表示した顧客に対する勧誘、迷惑を覚えさせるような仕方での勧誘並びに自己の商号及び商品市場における取引等の勧誘である旨を告げない勧誘を禁止する旨の規定を法案に盛り込んだところである。
再勧誘の禁止、
迷惑勧誘禁止、
商号・目的を明示しない勧誘の禁止を法案に盛り込んだ。

(CCMFコメント:質問は、「理由を示せ」と訊ねているのだが、理由は示されていない。)

第159回国会 経済産業委員会 第9号

平成十六年四月九日(金曜日)より
発 言 者 発 言 内 容 論 点
民主党
村井宗明衆議院議員  
 今おっしゃられたように、勧誘などについて非常にたくさんのトラブル、問題が起こっているわけです。そこで、勧誘方法の問題に入りたいと思います。一般の素人が商品先物取引にかかわる入り口、きっかけのところの問題です。
 本人からの積極的希望はないにもかかわらず、言葉巧みな繰り返しかかってくる電話勧誘によって引きずり込まれてしまう問題です。自宅や勤務先に無差別に繰り返しかかってくる電話による勧誘が、新規委託者のほとんどすべての人の入り口、きっかけになってしまっています。特に指摘しなければならないのは、ひとり暮らしのお年寄りや家庭の主婦など、明らかに知識と経験を持たないと思われる素人に対して執拗な電話勧誘が行われているということなんです。
 そして、さらに悪質だと言わなければならないことは、商品先物取引の危険性をよく説明しないことです。例えば、今国民生活センターの方がおっしゃられたように、絶対もうかりますとしか言わない場合もあります。もっとひどいケースになると、商品先物であるとすら言わない場合もあります。この部分に関しては、今回の法律の改正案にも入ってきたので、ある程度対応できたと思うんですが、このような事例は、商品取引員の体質というよりも、ある意味、モラルの問題であると思います。いつまでたっても同じような電話勧誘が行われ、毎年毎年新たな被害者が発生している現状を自主的には改善できないのであれば、規制していくしかないと思います。
 ここで、この一般消費者への不招請勧誘の規制についてお尋ねしなければなりません。
 個人からの依頼もしていないのにかかってくる電話勧誘は、法律で禁止するしかないのではないでしょうか。また、一般の家庭に無差別に行われてくるような勧誘、これも不招請勧誘ですから、法律で何らかの規制をすべきではないでしょうか。経済産業省にお尋ねします。
不招請の電話勧誘は禁止すべき。

その他の不招請勧誘も法律で規制すべき。
経済産業省
大臣官房商務流通審議官
青木宏道政府参考人
 顧客が望む場合を除く電話等によります勧誘を一律に禁止いたします、いわゆる不招請勧誘の一律禁止につきましては、やはり営業の自由といったような大変重大な問題とも関連をしてまいると考えております。また、この問題は、商品先物だけにとどまらず、他の金融商品など投資的取引全般との関係も幅広く慎重に議論する必要があるのではないか、このように考えるところでございます。
 他方、村井先生今御指摘のように、商品先物取引において、個人が望まない勧誘によってトラブルが発生をする、こういうのも事実でございます。このため、今回の改正案におきましては、このトラブル防止のための勧誘規制を強化したところでございます。
 まず、具体的には、望まない勧誘を断る機会を確保し、断った後に再び勧誘されることがないよう、例えば、次のような措置を講ずることとしております。
 まず第一に、勧誘に先立ちまして商品先物取引の勧誘である旨を告げること、これを義務づけることでございます。また、一度断った者に対する再勧誘を禁止する、あるいは、これも村井先生先ほど出てまいりました、勧誘に際しましては、商品先物の仕組みあるいはリスクというものを冒頭に説明する、これを義務づけたいと思っております。
 ここで言います仕組みあるいはリスクとは、仕組みとは、少額の証拠金、いわゆる担保金でございますけれども、先生も御指摘になられましたように、少額で大変多額の取引をする、いわばてこの原理が相当働くということでございますし、リスクはまさにその裏腹でございまして、この取引により損失が生ずるおそれがあり、かつ、損失の額が証拠金を上回るおそれがあるということをしっかり説明させるということであろうかと思います。そしてその段階で、やはりハイリスクの取引はもう勧誘を断りたいということで断ります、そこで引き続きあるいはまた再度勧誘をする、こういうことになりますと、これも再勧誘の禁止に該当するということでございます。
 私どもの法的措置、いろいろ講じておりますけれども、何よりも実効が大変重要であろうと思っております。本法案成立後、できるだけ速やかに、関係者の意見も聞きながら、具体的なガイドライン、これを策定いたしまして国民に公表をしていきたい、このように考えておるところでございます。
不招請勧誘の一律禁止は、営業自由の原則との関係で困難。

他金融取引全般との公平も考えるべき。

再勧誘の禁止:
勧誘の冒頭にリスク説明をしなければならない。

リスク説明:「預けた金が無くなる恐れがある。」と明示しなければならない。

「そんなリスクある取引は興味ない。」と客が言ったのに、勧誘を続ければ、再勧誘禁止に抵触する。
民主党
村井宗明衆議院議員
 この不招請勧誘、特に電話による一般家庭への無差別的な営業がトラブルや被害の温床になっていると思います。いわゆる説明義務の違反や断定的判断の提供といった問題も、すべての出発はこの不招請勧誘にあるのではないでしょうか。このような勧誘方法を野放しにしていることが、日本の商品先物市場の国際化をおくらせており、また、当業者や機関投資家からの信頼を確立できない一因になっているのではありませんか。
 少なくとも、商品取引員の登録された外務員、商品先物会社の営業マンであれば、営業をかける相手の人物が、適合性原則から見て、知識、経験、財産などの状況から適当かどうかは判断できるはずだと思います。また、その適合性をしっかりと確認した上で、かつ、十分な説明責任を果たした上で営業していくべきではないでしょうか。
 もし万一、相手方の適合性が不適格だと認識していながら、逆にこの知識と経験のなさにつけ込むような手口がはびこっているとしたら、もうこれは法律で明確に規制していくしかないと思います。そうしないと、被害やトラブルは根絶できないと思います。少なくとも、相手構わず無差別に行われている個人の自宅への電話勧誘や訪問勧誘は、法律による歯どめが必要な状況になってきていると思います。
不招請勧誘がトラブルや被害の温床である。

適合性原則を徹底させるならば、無差別勧誘は規制すべき。
民主党
村井宗明衆議院議員
 私たち民主党は、今やはり、この法案をもっとしっかりと、本当に一般委託者の被害が少なくなるようにしていかなければならないと考えています。今、大臣に何度もおっしゃっていただきました、やはりしっかりと向かい玉を禁止すること、そしてもう一つ、両建て勧誘を禁止すること、そしてさらに不招請勧誘、つまり、望みもしない勧誘をしっかりと規制していかなければならない、そういうようにこの法律をつくっていかなければならないのではないか、民主党は強く求めていきたいと考えています。
 その中で、やはり今言っておられます二百十四条、特にこの商品取引員の禁止事項をしっかりと明記する、そして安心できる制度にしていかなければならない、そのように考えています。
向い玉の禁止、
両建て勧誘の禁止、
不招請勧誘の禁止を
民主党は要求する。

発 言 者 発 言 内 容 論 点
民主党
梶原康弘衆議院議員 
 どうも余り答えになっていないような気がするんですが、点検商法について言えば、平成八年から十四年で六・四倍になっているんですね。アポイントメントセールスについては二倍というようなことで、物すごい勢いでふえているわけですけれども、国民生活センターの資料では、六割が訪問販売であるとか不招請の勧誘によるものだというふうな資料があります。
 先ほども同僚議員から話があったんですけれども、私は、未然に防ぐということであれば、不招請の勧誘を、営業行為を禁止する。どこまで禁止するかというのはあるかと思うんですが、例えば、先ほどの同僚議員でも、電話による勧誘だったわけですが、EUでも去年から大量無差別の勧誘メールというのは全面的に禁止しております。アメリカでも、電話セールス撃退作戦というのがあって、あるところに登録するとその電話にかけてはいけない、かけると日本円で百六十四万かな、それだけの罰金を科せられるということで、去年から始まりましたら、開始直後はネット上で毎秒千件の登録があったというんですよ。いかにそういった需要というか思いが強いかということだと思うんですけれども、ここでは電話に限っていいと思うんですが、不招請勧誘についていかがお考えでしょうか。 
被害が拡大している。

被害未然防止を目的とするならば、不招請勧誘は禁止すべき。

EU:大量無差別勧誘メールは禁止。

米国:電話勧誘拒否登録制度。
経済産業省
商務情報政策局
消費経済部長
小川秀樹参考人
 電話勧誘につきましての不招請勧誘を何か規制できないかという趣旨の御質問で、アメリカの制度も引用いただいたわけでございます。
 電話勧誘販売でございますけれども、我が国では特定商取引法で規制をしておりまして、具体的な規制内容といたしまして、勧誘目的の明示の事前の義務づけもございますし、書面交付の義務づけ、それから不当な勧誘行為の基準もございますし、それから大きな制度としまして、八日間のクーリングオフという制度もあるわけでございます。
 一方、アメリカの制度の御紹介がございましたけれども、昨年の十月から電話勧誘拒否登録制度という制度が施行をされておるわけでございますけれども、一つの背景といたしましては、アメリカでは、我が国でもいろいろトラブルが多いわけでございますけれども、アメリカの場合、特に、自動ダイヤル装置といいますか、自動電話装置による無差別大量の電話勧誘というのが非常に大きい社会問題になっておったというのも一つの背景でございます。
 いずれにせよ、そういう制度が導入されたわけでございますけれども、やはり言論の自由といいますか通信手段の自由といいますか、そういうこととの関係の問題がございまして、実際、そういう電話での営業をしている企業のグループから訴訟が起きておりまして、地裁で違憲判決が出て、高裁で合憲判決が出ましたけれども、現在まだ訴訟が継続中、そういう事情にあるわけでございます。
 アメリカにおきましては、先ほども申し上げましたようなクーリングオフの制度もないということもございまして、いずれにせよ、我が国で導入するかどうかについては慎重に検討すべきである、そういうふうに考えております。
我が国:勧誘目的明示義務、書面交付義務、不当勧誘行為の基準、クーリングオフ制度等で充分規制している。

我が国には、自動ダイヤル装置は無い。

言論の自由との関係で、憲法論議となっている。

(CCMFコメント: 憲法論議に関しては、平穏な生活を邪魔されない権利すなわちプライバシー権の侵害とのバランスに関する論点が欠けている。

また、クーリングオフに関しては、商品取引所法には規定がないので、国内市場での商品先物取引は対象とはならない。)

平成16年4月19日 作成

"Let's Make "Do Not Call" のHOMEへ