| 事件の概要 |
| 福岡県北九州市在住の玉江峰子さんは「新北九州信用金庫の関係者は偽証している」と、福岡高等検察庁に告訴状を提出している。 玉江峰子さんと新北九州信用金庫との間の貸金債権を巡る争いは、平成5年4月25日新北九州信用金庫から玉江峰子さんへの内容証明郵便による催告に始まり、平成6年11月25日の第一審第一回口頭弁論、平成9年2月23日第一審判決、平成9年6月18日控訴審第一回口頭弁論、平成10年9月8日控訴審判決、平成11年2月5日の上告棄却にいたるまで、5年近くの裁判上の争いがあった。しかし、争いの終息する様子は見られない。 2500万円の貸付金(以後貸付金(1)。)、500万円の貸付金(貸付金(2)。)、700万円の貸付金(貸付金(3)。)、これら3つの貸付金の有無をめぐって裁判は争われた。玉江さんは、一審、二審とも敗訴、最高裁も事実上門前払いで、判決では新北九州信用金庫の主張を全面的に認めた。しかし、玉江さんは、「新北九州信用金庫は、貸付金をでっち上げ、ありもしない借金の取立てを行っている。」、と一歩も譲らない。かくして、検察庁への告訴となった次第である。 政府から営業の認可を受けた信用金庫が、顧客の貸付金を捏造することなどあるのだろうか?常識では考えられない。しかし、調査を開始してから程なくして、「これが、金融機関の発行する文書か?」と思われるような、怪しげな書類が出現した。さらに、玉江さんの主張を裏付けるように、偽造された印鑑を見たという人の存在、そして遂に偽造された署名を有する手形の存在すら、明らかになったのである。 |
| 訴訟のあらまし |
| 玉江さんのもとに新北九州信用金庫 代表理事 天野幸康氏からの催告書が内容証明郵便にて届いたのは、平成5年4月15日のことであった。それは、「700万円の抵当権付金銭消費貸借証書に基づく貸付金を返済せよ。」との内容である。これが、貸付金(3)のことであり、第二審の判決文では次のように表現されている。 貸付金 700万円 貸出日 平成2年11月7日 弁済期 平成3年12月31日 弁済方法 元本一時払い、利息は借入日を第一回として、以後毎月末日に翌月末日までの利息を前払いする。 利率 年9.85パーセント (年365日の日割り計算) 玉江さんは、「とっくの昔に返したはずなのに、なにを寝ぼけているのだ。」と思ったそうである。 新北九州信用金庫 代表理事 天野幸康氏から、次の催告書が送られてくるのは、平成5年10月5日のことだった。そこには、「500万円の抵当権付金銭消費貸借証書に基づく貸付金の月々の返済が無い。元金及び遅延利息を払え。」とある。貸付金(2)である。判決文では次のように記されている。 貸付金 500万円 貸出日 平成3年2月8日 弁済期 平成8年2月28日 弁済方法 平成3年3月31日を第一回とし、以後毎月末日に10万3,791円宛60回の元利均等割賦償還 利率 年9パーセント (年365日の日割り計算) 3通目の催告書も同じ平成5年10月5日付けである。そこでは、「2,500万円の抵当権付金銭消費貸借証書に基づく貸付金の月々の返済が無い。元金及び遅延利息を払え。」とあった。これが、貸付金(1)のことで、判決文の記述は次のとおりである。 貸付金 2,500万円 貸出日平成元年10月16日 弁済期平成11年10月31日 弁済方法平成元年11月30日を第一回とし、以後毎月末日に29万4,800円宛120回の元利均等割賦償還 利率 年7.9パーセント(年365日の日割り計算) 玉江さんは、貸付金(1)について、月々の返済を滞りなく行っていた。一方、500万円のこの貸付金は、玉江さんには全く身に憶えのないもので、「きっと新米が別の人の借金と取り違えているのか、そうでなければ悪い冗談なのだろう。」と思っていた。 |