しかし、現実は楽観的な玉江さんの思惑とはうらはらに、裁判では新北九州信用金庫の主張が全面的に認められることとなり、敗訴した玉江さんは財産を失った。第二審での判決の主文は、「一 本件控訴をいずれも棄却する。二 控訴費用は控訴人らの負担とする。」である。高裁判決の理由の一部を引用しよう。
(控訴人峰子は原審において、貸付金(2)は必要があったので借受けたものであり、借受けの際に作成した抵当権設定金成消費貸借証書 (甲三) の借入金欄の五〇〇万円は自ら記載した旨供述し、原審における控訴人一貴も甲三、四 (信用金庫取引約定書)を控訴人峰子とともに作成したと供述している。)。
(一部略)
五 貸付金(3)に対する弁済の抗弁について
1 被控訴人が平成二年一二月四日、控訴人峰子から七〇〇万円を受預したことは当事者間に争いがない。
2 甲二五、二七ないし三四、三九、乙二、三、四及び五の各1、2、八の3、一八の1 (甲三三の控訴人嘩子名下の印影が同控訴人の印章によるものであることは当事者間に 争いがなく、原審における控訴人峰子の供述により、同控訴人の氏名は、自署であると認められる。) 並びに原審及び当事証人海野顆光の証言によれば、(一)控訴人峰子は、平成二年一〇月二日、自己所有の富野サマリヤマンションに 同年九月二六日付けで抵当権を設定したうえ、被控訴人から五〇〇万円を借り入れ (貸付金(4))、同日、右借入金は同控訴人の普通預金口座に入金されたこと、(二)その後、控訴人峰子は、右マンションを売却して貸付金(4)を返済することにし、同年一〇月二三日、これを代金八八〇万円で売却する旨の契約を締結し、同日、受領した手付金一〇〇万円を、内入れ弁済したこと、(三)控訴人峰子は、同年一二月四日、残代金七八〇万円を受預し、うち七〇〇万円を同控訴人の前記口座に入金し、同日、三九七万三二二二円を出金して、貸付金(4)の残元金四〇〇万円 (戻利息二万六七七八円)の弁済に充て、前記抵当権設定登記を抹消したこと、(四)更に、控訴人峰子は、同月七日、右口座から三〇〇万円を払い戻したこと、以上の事実が認められる。これに反する原審における控訴人峰子の供述は、前掲各証拠に照らし信用できない。
右事実によれば、控訴人峰子主張の七〇〇万円は、貸付金(4)の弁済等に充てられたのであって、貸付金(3)の弁済に充てられたとは認められない。よって、本件控訴はいずれも理由がない。(平成一〇年七月二日口頭弁論終結)
福岡高等裁判所第三民事部
裁判長裁判官 下方元子
裁判官 木下順太郎
裁判官 川久保政徳 |
現在の民事訴訟制度では、最高裁は事実上有名無実と化しているので、二審判決が事実上の確定判決である。いくら「確定判決」といっても、はたして、この判決は妥当なのだろうか?
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