| 偽造印鑑の目撃者登場 |
| もっとも図1.の金銭消費貸借契約証書は、多少見てくれが悪いとしても、証書としての効力には、当事者同士が納得しているかぎり問題ないはずである。問題は、その玉江さんが納得していないことにある。 しかし、証書を見れば、玉江さん自身の署名捺印も実兄の一貴氏の署名捺印もある。どこが問題なのか?玉江さんは、この証書は、新北九州信用金庫が偽造したもの、もしくは、別の目的の為に作られた証書を玉江さんに無断で流用したものである、と主張している。「文字通り信用第一の信用金庫が、そんな、お客様に無断で契約書を捏造するわけが無いではないか」と誰でも思うはずである。さしずめ先物会社の営業マンあたりなら、「取引が自分に不都合な結果に終わったときに、詐欺だ!騙された!」などと言うのは、自己責任原則を知らない無責任顧客の常套句である、とでも言いそうだ。玉江さんの主張は、いささか無謀かつ荒唐無稽に聞こえる。 しかし、玉江さんは驚愕すべき事実を明らかにした。「新北九州信用金庫は、私の印鑑を偽造し、それを使用していました。しかも、それを目撃した人もいます。」と言うのだ。ここで重要な点は、「目撃した人」の存在である。玉江さんの告訴状の一部には、次のような記述がある。 |
| 告訴状の記述 |
| 4 告訴人が本件訴訟中に事実関係を明らかにするため関係者を訪ね歩いていたところ、右金庫の告訴人に対する貸付金に関連して不動産登記申請の手続きをしたM司法書士事務所の女性職員のE(同事務所の番頭格)に会って登記申請に至る事情を子細に問い質したところ、告訴人が借入の申込みを取り消した金五〇〇万円二口の登記手続きの書類は、右金庫職員海野頼光が直接右M事務所に持ち込んでおり通常の右金庫の融資課窓口での書類の受け渡しでなかったこと、その折り右海野はEに対し告訴人の実印を預かっている旨告げ白い象牙製らしき印鑑を見せていること、平成元年一〇月一六日付の金二、五〇〇万円の貸付金の融資実行の時は告訴人の同席立会が無いまま物件売主の国内信販株式会社の担当職員と取引決済を済まし右Eに所有権移転登記および抵当権設定登記の申請を依頼したことなどが判明した。 この白い象牙製らしき印鑑について、後日告訴人が再度右Eに確認したところ、印影は告訴人の銀行印と全く同一のものであった。告訴人の銀行印は柘植(つげ)製の印鑑であり、象牙製のそれとは一見して見分けのつくものである。右金庫元職員萱原征美及び右金庫職員海野頼光らが容易に約束手形を偽造したり定期預金払戻請求書や普通預金払戻請求書を易々と偽造できた訳である。 |
| 録音テープが盗まれた!? | ||
| 目撃者とは、司法書士事務所勤務のEさんのことである。このEさん、Hさん(玉江さんの友人)、そして玉江さんの三人による対話が記録として残されている。(司法書士Eとの会話録。以後単に「会話録」とする。)その中で、Eさんは「偽造された印鑑を目撃した」と語っている。玉江さんによると、この会話録の元になった録音テープも存在したそうである。しかし、ある日、その録音テープが、忽然と姿を消してしまった。玉江さんは、「テープは盗まれた。」と訴える。幸いなことに、「盗難」に遭う前に、告訴状のとりまとめを行った司法書士が、そのテープを専門の業者を通じてトランスクリプト(テープ起こし)していたおかげで、私達は、その会話の全貌を知ることが出来る。 テープが「盗まれた」というのは、本当の話だろうか?玉江さんが、どこかに置き忘れただけではないのか?興味深い点ではあるが、今となっては、謎の一つになってしまった。玉江さん以外にも、司法書士とテープ起こし業者が、テープの存在を見ている。さらに、テープ起こしをした業者は、そのテープを実際に聞いている。つまり、テープは、確かに存在した。もしも本当に盗まれたのならば、そのテープには「盗む価値」があったことになる。つまり、会話録の中に、「真実が含まれている」可能性が高い、しかも、それは「重大な真実」なのだ。私達は、子供のときから、他人のものを盗んではならないと教えられている。あえて盗みを犯すにはよほどの事情があるはずだ。また、テープの「盗難」と前後して、玉江さんとEさんとが、疎遠になってしまった点も注目である。証拠隠滅と口封じなのだろうか? 読者には、次のような問いかけをしてもらいたい。「誰が?」「なぜ?」そして「そのことを隠蔽する力のあるものは?」。(最後の問いかけは重要だ。告訴状の日付の平成12年1月から、3年が過ぎようとしている。検察は動かない。平成15年末には時効完成である。)
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