解説 新北九州信用金庫と文書偽造疑惑その2(9)


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手形の外観上の特徴
用紙が昭和用から平成用になったため、元号の訂正は行われていない。日付が手書きではなく、スタンプで押されている。この点は、他の手形とは異なる特徴である。右隅に用紙の破損を修復した痕が有る。(ステップラー4本で止められており、裏打ちされている。)

検印欄には、萱原、印鑑照合欄には、塩田の認印が押印されている。裏面には、2年10月1日付けの償還済のスタンプが押されている。そこには、本店営業部、新北九州信用金庫とある。裏面の検印欄には、萱原、係員欄には中島の認印が押印されている。

裏書人の記入は無い。

住所表記の書体は玉江氏のものと非常に類似している。特に縦の線を引く際に、わずかに左側から横に入り、90度下方に折れ曲がりながら引き下ろす書体、(たとえば、小倉北区の「小」の第1画目、「北」の第1画目)、は玉江氏固有の癖を表現している。「玉江峰子」の署名も、驚くほど本人のものと似ている。特に「玉江」に関しては、全く見分けがつかない。「峰」の字は、本人の書体とはややかけ離れた感もあるが、通常、第三者の目には、勢いに任せて一気になされた署名と映るに違いない。むしろ、本人の手による署名と確信させるような手馴れた、なめらかな筆づかいすら感じさせる。


奇怪な借入申込書
この手形に関しては、外観上の特徴よりもこの手形が発行された経緯を示す借入申込書の日付に特徴がある。日付が昭和2年9月7日になっている。この「2」、「9」、「7」は、手書きである。この「2」の書体にはかなり特徴がある。また、営業店受付日と貸付済印日付には、スタンプにて平7.9.-7と押されている。営業日の日付印を間違えて設定すれば、他の業務中に気づくであろうし、日を1日前後させることがあっても、年号を間違えるのは考えにくい。この書面が作られたのは、本当は、平成2年以外の年、たとえば平成7年だったのかもしれない。裁判が開始された後に証拠の捏造を目的として作り出された可能性も否定できない。

図14.「昭和」2年9月7日付けの借入申込書。
営業店受付日と貸付済印日付には、スタンプにて平7.9.-7と押されている。
日付の書体に特徴がある

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