解説 新北九州信用金庫と文書偽造疑惑その4


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貸付金(3)は弁済されたのか?
玉江峰子さんの銀行印が偽造されているという目撃があった。
(正確には白い象牙製の銀行印を目撃したという人の存在であるが、白い象牙製の銀行印は、偽造された銀行印に他ならないので、上の表現は妥当である。)

手形貸付に使用された約束手形の一枚から玉江峰子さんの署名が何者かに偽造された痕跡が発見された。

つまり、署名も印鑑も偽造されていたことになる。

しかも、双方の偽造に関して、信用金庫の職員が関与していた可能性が高い。

従って、新北九州信用金庫は、玉江さんの署名および銀行印の印影を含む文書を容易に偽造することが可能であった。

すなわち、新北九州信用金庫が民事訴訟において書証として提出した文書のうち、玉江さんの署名および銀行印の印影を含むものは、偽造された可能性が否定できず、信用することが出来ない。

貸付金(4)の平成2年9月26日の証書は、玉江さんの署名と銀行印の印影を含む。

従って、平成2年9月26日の証書は、信用することが出来ない。

従って、貸付金(4)の存在は疑わしい。

この疑わしい貸付金(4)の存在を理由に、債務不履行と判断されたものが700万円の貸付金(3)である。この点について、玉江さんは、次のように語る。

赤坂サマリアマンション(判決では富野サマリヤマンションと通称名で記されている)を売買し、平成2年10月23日、売買金額880万円の内、買主から手付として頂いた100万円を海野次長へ手渡し、返金の一部として入金を依頼しました。残金について、「平成2年12月4日買主が東京から持参する」と業者から聞いたので、海野次長に「決済の場所は信金客室をお借りしても良いですか?」とおたずねしました。すると次長は、「どうぞ、どうぞお使いください。」と快諾しました。

当日、私は、信金客室にて残金の780万円を買主から受け取ると、そのまま、信金の窓口にて返金しました。窓口の職員に金額の確認をして貰っていたところ、海野次長は、次長席を立って、窓口に顔を出し、「終わりましたか?」と声をかけてきました。私は、「ハイありがとう御座いました。」と客室をお借した御礼をいいました。受取額780万円のうち、30万円は業者へのお礼、50万円は自分のお小遣いとして抜き取り、残り700万円は、貸付金の返済にあてました。ところが、海野さんは、「自分は決済の場所に立ち会っていた。」と偽証したのです。後でEさんに、この話をしたら、「この時玉江さんがお金を返さずに持って帰ったら、この時点でばれていただろう。」とEさんは答えました。

結論に代えて
福岡高裁裁判長は、「並びに原審及び当事証人海野顆光の証言によれば、(一)控訴人峰子は、平成二年一〇月二日、自己所有の富野サマリヤマンションに 同年九月二六日付けで抵当権を設定したうえ、被控訴人から五〇〇万円を借り入れ (貸付金(4))、同日、右借入金は同控訴人の普通預金口座に入金された」と断定する。

すでに述べてきた印鑑・署名の偽造の可能性を踏まえるとすると、

「Eさんの目撃情報が正しいと仮定するならば、新北九州信用金庫の関係者の誰かが、玉江さんの銀行印を偽造したと判断せざるを得ない。しかも、当事者の一人の海野氏がその印鑑を持ち歩いていた。」
(「目撃者は語る。−印鑑偽造の疑惑は頂点に達した-。」参照のこと。)

その海野氏の証言と、上述の玉江さんの語る内容のどちらが信用できると、読者はお考えだろうか?


しかし、福岡高等裁判所第三民事部 裁判長裁判官 下方元子氏は、次のように宣言した。「右事実によれば、控訴人峰子主張の七〇〇万円は、貸付金(4)の弁済等に充てられたのであって、貸付金(3)の弁済に充てられたとは認められない。よって、本件控訴はいずれも理由がない。」(高裁判決)

私達は、裁判長が結論として記した「理由」という言葉の意味を、再度、検討してみる必要があるだろう。


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